回転機器の軸摩耗
回転機器の軸摩耗について
(保全的知識)
経験談になりますがつい先日、ロール(円筒上の60kg×4000L) L=長さ
の軸(シャフト)が摩耗した。
症状としては、比較的軽傷ではあったものの、ベアリングには傷があり
そのまま使い続けると破損する恐れがあった。
触診で約60℃であったことと、機械停止時に手で回したところ「ゴロゴロ」
という音もあった。
施工自体は、2時間程度で終わったが、応急処置の状態までが限界だった。
今回は復旧を重視していたので、軸を次のような処置とした。
1.作業時間に限りがあるので、取り外しをプーリー抜き等を用いた
2.ハウジング(ベアリングケース)を分解し、スナップリングを取り外す。
3.軸の太さはφ15(直径)であり、ベアリングは自動調芯ベアリングが
両端1か所ずつ
4.軸摩耗側は0.2~0.3程度摩耗を確認(ノギス、マイクロゲージ)
5.このまま復旧するとすぐベアリングと軸間で滑り摩耗を進行させる可能性
があったので、ロックタイト761(軸はめあい用中強度)を採用し復旧
6.試運転あとは良好。
以上のように、復旧を最短で且つ延命する場合は以上のような対策も有効
であったりします。
正規品を制作して復旧するにしても制作期間が約1か月必要であることから
こういった延命措置は時として非常に重要になることのほうが多いことも事実です。
ちなみにロックタイトは接着剤でも嫌気系と呼ばれ普通の接着剤とちがい
空気を嫌います。
金属と金属が接触して初めて硬化するもので、そのままつけても固まりません。
なので、軸等に使用する際は、嵌めて軸間に遊び(空気層がありすぎる)と
接着しない場合があるので、気を付けてください。
ロックタイトHPリンク 👇
ご参考になれば幸いです。^ー^
コメント
いやー、最短の復旧もなかなか骨が折れます。
でも、どの企業でも機械が止まって復旧するまでに要する時間は
攻められるもので、直す人々の気持ちを理解して計画はしてくれないものです。
その時に備えて、万が一をすぐ使えるようにしておく準備は普段から身に着けて
置きたいところですよね。
まさに、故障即復旧です。
因果な時代だー^^